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テーブルの上の箆鹿(ヘラジカ)

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

これはミシガンのある大学での授業の話です。

ある家族が外出から戻って家の玄関を入ると、みんなが集うリビングのテーブルの上に、大きな箆鹿(へらじか)が座っていたそうです。

「メアリー、宿題はやったの?」
「ダーリン、お茶でも飲みますか?」

家族はまるで鹿なんかそこにいないように、普段通りに振舞います。みんな明らかに箆鹿が気になっているのに、見て見ぬ振りをしているのです。

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これは硬直化した組織に関する風刺のお話です。

誰が見てもおかしいと認められていることが、そのまま放置されていたりするということです。本当の問題は「箆鹿」なのに、その場をやり過ごそうとする。

ドキッとさせられるお話でした。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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