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大昔の誤診

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

小学校の時の健康診断で生まれて初めてレントゲンを撮りました。その時肺に影があると引っかかり、母親がお医者様に呼ばれました。

「浩美君は肺に影があります。小さい頃肺結核をわずらっていませんか?」
そんな記憶がない母は首を振ると。。。。。
「きっと微熱が続いていたんだと思うんです。浩美君は自力で治したのでしょうね」
レントゲンの写真だけ見て話しているお医者さんは、私のことをすっかり男の子だと勘違いしていました。母が女の子だと説明すると、お医者様はびっくりするように、レントゲン写真を見つめこう言ったそうです。

「立派なあばら骨ですね。この子は身長が伸びますよ」実際私の身長は167センチなので、この予言は当たっていました。それと同時に肺結核を自力で治した強い子という印象を母親はずっと信じていました。もちろん私も。。。。。

それから数年前に山王病院でCTを撮った時も肺に影があり、「たぶん肺結核のせいだろう」という診断でした。

そして今年から聖路加病院で一日人間ドックに入っているのですが、そこでもレントゲンで肺に影があり、念のためということでCTを撮ることになりました。

そしてやっとその原因がわかりました。これは肺結核の痕ではなく、「骨島(こっとう)」というものです。あばら骨の一部が生まれつき浮いているか何かで、あるはずのないところに骨の影が出るのです。

健康にはなにも問題なく、肺はピカピカにきれいでした。もちろん肺結核の痕もありません。ずっと誤診を信じていたことになります。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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