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しろばんばの里

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

皆さん、3連休はどのようにお過ごしになりましたか?
私は井上靖の「しろばんば」の舞台にもなった、天城湯ヶ島の温泉に1泊2日で出かけました。

踊り子号で2時間で修善寺へ、そこからバスで30分ぐらいで湯ヶ島に着きます。まだ旅館に入るには時間があったので、近くを散策しようということになりました。バス停に隣接した酒屋さんが親切に、荷物を預かってくれました。

その酒屋さんに「しろばんば」の絵が飾ってありました。私は小説の中だけで、実物は見たことがないのですが、かげろうのように透明で、妖精のようなその姿は想像通りでした。

湯ヶ島は自然がたくさん残っていて、今でも秋になるとしろばんばが飛んでいるそうです。

旅館の中にも井上靖の生原稿が額に入れて飾ってありました。

太宰治は故郷を憎み、また故郷に執着いた作家ですが、
井上靖は故郷を愛し、故郷を絶賛した作家です。だからこそ、命が尽きた今も、こうやって故郷に息づいているのだと思いました。

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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