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時間を書く

工藤浩美

工藤浩美の東へ西へ

第141回芥川賞には磯崎憲一郎さんの『終の住処』、直木賞には北村薫さんの『鷺と雪』が選ばれました。

私がとても興味をひかれたのは、芥川賞をとった磯崎さんのインタビュー内容でした。彼は会社員として勤めながら、早朝や休日、帰宅後に小説を書いているそうです。受賞後も会社員は続けていかれるそうです。

インタビュー抜粋

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デビューした当時は、会社員と小説家という2足のわらじはだんだん大変になっていくかと思っていたが、やってみればやってみるほど、自分にとっては磯崎憲一郎という人間の生き方の見せ方の違いに過ぎず、実は同じことをやっているのではないかという想いが強くなってきています。

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2足のわらじを、自分の見せ方の違いに過ぎないというところがとても心に響きました。会社経営を何かと一緒にはできないとという思いがずっとありました。でも集中力や時間の活用方法で、「これしかできない」という考え方はないような気がします。

インタビューより抜粋

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自分が小説で何ができるかを考えたときに、"時間"を書くことだと思ってきました。時間というのは、時計の針が進んだとか、そういった"時間"は分かりますが、その中にいる自分たちが感じる"時間"というのは、そういった(時計の針が進んだとかいうような)直線的な時間とは別のところにあるような気がしていて、それを言葉で表現すると小説にできるのではないか

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ここもすごく心に残りました。早く受賞作を読んでみたいと思います。

Written by

記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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