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失敗をしない者を信用してはならない

工藤浩美

テンナインヒストリー ~挑戦への軌跡~

最近社員から「テンナインヒストリーを楽しみにしています」と声を掛けられ、つい更新が滞っているのを反省しています。

いま振り返っても起業当初は何でも無謀に挑戦していました。今でもスタッフが「こういうことに挑戦したい」とか「新しいサービスを作りたい」と新規事業の提案をしてきた時には、つい昔の自分と姿が重なり、なるべく応援したいという気持ちになります。もちろん本業を脅かすような投資話とか、語学に全く関係ないビジネスをするつもりはありませんが、チャレンジ精神は持ち続けたいと思っています。

会社経営は私にとって未知の連続、当然初めての経験でした。周りに経営者の友達がたくさんいた訳でもありません。最初思うようにいかないこと、分からないことは、本の中でたくさん学びました。その中でもピータードラッカーの『マネジメント』という本の一説がとても心に残っています。

本文より

成果とは長期のものである。すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである。

それは見せかけか、無駄なこと、くだらないことにしか手をつけない者である。

人は優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。

 

「失敗しない者を信用してはならない」というフレーズは今でも強烈に脳裡に残っています。確かに新しいことに挑戦するということは、未知の世界に飛び込むことなので、失敗の確率は高くなります。私もこれまでにやってしまった失敗を考えると、時々穴があったら入りたくなります。心が折れそうになった時、この本からたくさんの勇気をもらいました。

起業当初全く絵心がないのに、会社のロゴを自分で作ってしまったのも無謀な挑戦の一つでした。これをデザインと言ってしまうと、プロとして仕事をしている方に申し訳ないのですが、とにかく会社のロゴを作らなくては名刺も封筒も作れません。そんな時東急ハンズのシール売り場で、てんとう虫のシールを発見しました。「てんとう虫のサンバ」という曲はあまりにも古すぎるかも知れませんが、てんとう虫は幸福を運ぶ虫だと言われています。このシールに好きなフォントと組み合わせ、写真のような最初のロゴを作って、名刺や封筒に展開しました。

因みにこちらのロゴは3年ほど使っていたのですが、「.com」の部分がITの会社に間違われるという理由から、デザイナーの方にお願いして今のロゴが出来上がりました。

この名刺を持って飛込み営業をしていた頃、最初のロゴを見て「東急のグループ会社ですか?」と聞かれたこともありました。今では懐かしい思い出です。

 

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記事を書いた人

工藤浩美

白百合女子大学国文科卒業後、総合商社勤務。
その後通訳・翻訳エージェントに2社、合計11年間勤務。通訳コーディネーターとしてこれまでに数百件の通訳現場のサポートを行なう。 2001年7月に株式会社テンナイン・コミュニケーションを設立。趣味はシナリオ執筆。

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