もう10年、まだ10年
こんにちは。今回は通訳部からです。
いつかこの事をブログに書こうと思っていて、なかなかタイミングがあわずにいましたが、今かなと思うきっかけが複数あったので今回書こうと思います。
2011年、東日本大震災が起きました。
その時は私はまだテンナインに入社していなかったのですが、その夏に入社し縁があり東北のボランティアに参加することになりました。
初めて現地に行ったときにボランティアチームの方が海辺へ連れて行ってくれました。
もちろん海はすでに落ち着いているのですが、そのすぐそばには津波が突き抜けた家があり、そういった家が数軒以外はまっさらな、ヘドロのような土しかない状態。
そしてすぐ近くの高台は全く同じではないだろうけれど、おそらく震災前とそこまで大きく変わらないであろう風景。
全く反する風景が視界の右と左に入ってきます。
その景色だけで立ちすくんでしまったのですが、私が何よりも怖いと思ったのが昼間なのに全くの無音だったことです。
過去に森や山などに行ったことはありますし、私の実家は田舎なので夜になると人気がなく静かなのですが、そういうのとは異なる音や生の気配が全くしない景色。10年たっても今でも鮮明に思い出しますし、思い出すと耐えられないくらい胸が苦しくなります。
私ですらそうなるくらいなんですから、東北の方々の経験はどれほどのものだったか。
大好きな作家の真山仁さんの作品に大震災を扱った作品があり、その中に妹さんを亡くした小学生の女の子が「時々妹のことを忘れてしまうの。楽しいことがあって笑ったりしたときに妹を忘れてしまっているの」と罪悪感から泣いて担任の先生に話すシーンがあります。
きっと多くの人がそういった思いを今も感じながら10年過ごし、またもを過ごしているのだと思うと心が辛くなります。
私にできることは何だろう。当時も今も答えは出ませんが今年も3月11日は現地に心を寄せたいと思います。
少しでも心に花が咲きますように。