テンナイン通訳部紹介:喜びを感じる時
通訳コーディネーターをしていて嬉しいのは、やはり会議が成功し、通訳者さんやお客様に感謝される時です。今回はそんなコーディネーターが仕事をやっていてよかったと感じたエピソードを2つご紹介します。
■通訳現場でのサポート
通訳機材を入れるような大きな会議の場合、コーディネーターが当日現場までお伺いし、会議開始までサポートすることもあります。コロナ禍での開催だったため、配信での開催となったある会議のこと。主催者の方だけではなく通訳も配信するということで通訳者さんにも現場に来ていただいていました。しかし、初めての配信ということもあり接続が全くうまくいかなかったのです。
主催者の音声が配信できないという状況に現場は混乱。通訳者さんは通訳ブースという通訳用の小部屋で生配信を通訳していたため、外の様子がわからず置いていかれるという状況が生まれました。そこで、都度通訳者の方にコーディネーターが状況をお伝えしサポートしました。また、部分的にどうしてもうまく配信できず、音声を取り直す必要があるという箇所もコーディネーターが直接お客様と通訳者さんの間に入り交渉を行いました。あなたがいてくれて助かったと感謝された記憶に残る出来事です。
■WEB会議でのトラブル
最近ではリモートで実施の案件に通訳を入れたいというご依頼が増えました。その分WEB会議ならではのトラブルも多くなっています。中でも一番よくあるのは発言者の声がよく聞こえず通訳ができないというもの。イヤホンマイクを使用できなかったり、通訳回線の不具合だったりと理由は様々ですが、いずれにしても音が聞こえなければいい通訳はできません。
ある会議では当初音声環境がうまくいかず、会議終了後に通訳者さんからご指摘が入りました。当初はすべての方がオンラインで参加と伺っていたのですが、実際にはオンライン参加の方と会議室から複数人で集まって参加している方の両方がいらっしゃったというのです。会議室で集まって参加された方々の音声がうまく聞こえず、通訳ができなかったという内容でした。
そこで次に同じクライアントから同様の会議のご依頼が来た際には、どのように対応してほしいか、どうすればきちんと通訳者が通訳を行えて、お客様もクリアに通訳を聞くことができるのか、ということをしっかりとお伝えしました。お客様もコーディネーターの話に耳を傾けて協力下さったため次の会議は無事に成功。通訳者さんからもお客様からも快適に会議が行えたという喜びの連絡をいただきました。
お客様や通訳者さんにどのように説明して理解いただくかはいつもコーディネーターが気を遣う点です。通訳者さんとお客様とでは大事だと思う部分が違うことも多いからです。しかしながら会議の成功のために時には粘り強くお願いすることも必要だと実感した案件でした。
通訳料は決して安い金額ではありません。だからこそそれに見合うよう、そして通訳者さんが最高のパフォーマンスをできるよう、コーディネーターも日々案件に向き合っているのです。