テンナイン代表 工藤浩美インタビューその4:今後のハイキャリア
ここまでは今までのハイキャリアについて主に聞いてきましたが、今回はこれからのハイキャリア、そしてテンナイン・コミュニケーションについて聞いてみたいと思います。
―今後ハイキャリアで作りたいコーナーの構想はありますか?
工藤:やっぱり通訳者、翻訳者のためになるようなコーナーでしょうか。過去すごく人気があって、今でもアクセス数が多いのは金融とか契約書とか医学とかについての記事なんですね。未だに翻訳するときにこの記事に立ち返っていますとか、こういう情報無料でいいんですか?っていう声をいただくこともあるんです。そういうコーナーづくりにはすごく時間がかかってしまうんだけれど、本当に実践的なコーナーを作っていきたいですね。例えばIR通訳についてだったり、医学通訳についてだったり、書ける方を探してコーナーが作れたらいいなと考えています。
今のハイキャリアは通訳者、翻訳者へ向けてだけではなくて、英語で仕事をする人への記事も多いんです。通訳者、翻訳者になりたい人って限られているし、世の中的には英語を勉強したい人がすごく増えていると思うんです。そこはすごく悩みどころですね。ただ今後ハイキャリアはグローバル人材をサポートしていくような内容も充実させていきたいと考えています。
私が定義するグローバル人材は海外に行って英語でディベートができたり、交渉できたりとか、要は英語でビジネスができる人ですが、それってすごく少ない。英語ができるだけの人とか仕事ができるだけの人はいっぱいいるけど、両方できる人っていうのが大手の企業も少ないって言われているんです。そういう人材をサポートするっていうのがテンナインの立ち位置なんですよね。
テンナインのミッションは「Helping you communicate better」。つまり通訳とか翻訳というくくりではなくて、グローバル人材を語学でサポートする会社っていうのがテンナインの目指すところなので、あんまり通訳・翻訳会社だって思っていないんですよね。だからハイキャリアもそういうふうになっていきたいなと思ってる。テンナインが作っているサイトの中に「イングリッシュメディア」という英語教育に特化しているものがありますが、少しそれに近いかもしれないですね。
私自身、何の会社やってるんですかって聞かれた時に「通訳・翻訳会社です」って答えることにすごく違和感があって、ある時そうじゃなくてコミュニケーションサポートの会社だって思ったらすごくしっくり来たんです。だから英語を教えてほしいとクライアントに言われた時もすぐその仕事受けようって言って新しく部署を立ち上げられたんだと思います。
もし私が自分の会社を通訳・翻訳の会社だって思っていたらたぶんやらなかったと思う。だって相対するものだから。英語を教えてしゃべれるようになったら通訳・翻訳の需要はなくなるでしょう?でも私はコミュニケーションサポートの会社だって思っていたからすぐに動けた。だから意識ってすごく大事だなと思います。
それに多分最初から通訳・翻訳会社だって心の底から思ってたら多分ハイキャリアもやらなかったんじゃないかな。会社としては通訳とか翻訳にだけにとらわれずにいたいと思っています。
全4回にわたってテンナイン・コミュニケーションの代表、工藤浩美のインタビューをお届けしてきました。次回からはテンナインの各部署について紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに!