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通訳・翻訳者リレーブログ
投稿者:かの の記事

来週から実名!

[2008.03.31]投稿者:かの

 大人になると、どんどん月日の流れが速くなると言われるが、私もまさにそう。特にここ3年間はものすごいスピードだった。まず、家族に関して言うと、息子の入園。ついこの間生まれたかと思っていたら、「え?もう年少さん?」という具合で迎えた入園式だった。ところが運動会やお遊戯会、各種行事であっという間に一年が過ぎ、気がついたら年中組へ進級していたのである。
 幼稚園2年目ともなると、こと行事に関しては親も慣れてくるもので、「5月の3週目ぐらいに遠足があるから、仕事は控えよう」とか、「12月はお遊戯会だ」など、スケジュール管理もしやすくなった。幼稚園ライフを親子ともどもエンジョイしていたら、秋になり、今度は娘の入園手続きが開始。面接やら園服採寸やらを経て、今年の4月に娘は年少組、息子は年長さんになった。兄妹そろっての入園生活。二人とも同じ園で過ごせるとだけあって、毎朝仲良く出かけていったのである。
 一方、私の方はフリーランスで仕事をしている分、毎回が真剣勝負。千本ノックをもれなく拾うというわけではないが、来る仕事来る仕事をこなしていたら、季節が3度もめぐっていた。目の前の仕事に精一杯で、はたして自分がめざす通訳力・知識力を蓄積できたかどうか定かではない。しかし、子どもたちの成長ぶりから、私自身大きな刺激を受けてきたのも事実である。
 4月からは息子がいよいよ新一年生。今まで過ごしてきた保育園や幼稚園では遊びを通じて成長することが重視されてきた。一方、小学生になれば少しずつお勉強の世界へ入っていくことになる。春からは息子も娘も初めての習い事を開始するので、本人たちの体力と気力も見守っていきたい。夫も仕事面で新たな任務を担う予定となっている。そして私自身も、通訳翻訳業、後進の指導、そして執筆活動の3本柱を本格的に歩み始めることになる。
 家族全員にとっての新しい春。花咲くこの季節に、我が家はかつてないほど未知数の世界へ進んでいく。どのような出会いがあるのだろう?そこで何を思い、どうやって皆で成長できるのだろう?今はその期待でいっぱいだ。そして2年3カ月続いた「かの」ブログも今日が最終回。来週からは実名で「通訳者の卵たちへ」というコラムが始まる。

 長らくのご愛読、本当にありがとうございました。新コラムはもちろんのこと、月曜ブログの次期担当者、「いぬ」さんへの応援もぜひよろしくお願いいたします!


大切なエネルギー

[2008.03.24]投稿者:かの

 昨年11月に引き続き、またもやシンガポールへ行ってきた(詳しくは2007年11月19日・26日付ブログ「トンボ帰りのシンガポール」前編・後編)。
 前回は私と子どもたちの3人旅行だったが、今回は夫もようやく休みがとれたので、久しぶりの海外家族旅行。しかも現地の友人との再会もあるので、親子4人ともウキウキ気分でシンガポール入りした。
 私にとってシンガポールは通算で3回目となるが、訪れるたびにたくさんのエネルギーを感じている。日本同様、資本主義で民主主義国家なのに、何かが違う。いったい何だろうと今回はじっくり考えてみた。
 4日間の滞在でわかったこと。それは街ゆく人々の表情にエネルギーがあることだった。特に若い人たち。生き生きとしていて、常に前方を見据えて、しっかりとした足取りで向かっていく、そんな感じなのである。
 もちろん、日本にもモチベーションを抱き、志高く生きている人たちはたくさんいる。現に私自身、何歳になってもそのようでありたい。しかしシンガポーリアンはもっとダイナミックなのだ。あらゆるものがきちんと機能しており、街中に落書きなどもない。安心して歩ける整然とした街、そして迅速なサービスと笑顔。こうしたことは、確かついこの間まで日本でも見られていたと思う。
 確かに私が数日間だけの滞在者ということで、何事もバラ色で眺めてしまったのかもしれない。私が知らないだけで、色々な社会問題などもきっとあるだろう。でも、街全体から大いなるエネルギーがビシビシと伝わってきたのである。
 現地の友人たちとの再会でも、同様だった。なまりの強いシングリッシュで前向きな言葉をどんどん発する彼らたち。発音力や文法力などをはるかに超越し、生きる手段としての英語で積極的にコミュニケーションをしているのだ。自分たちの仕事に喜びを見出し、それを自分の幸せへとつなげていく姿は本当に見事だと思った。
 昨年11月同様、手厚いおもてなしで我が家4人を大歓迎してくれた友人たち。彼らの心づかいは実に温かく、感謝の気持ちを言葉に表せないぐらい、私たちは幸せに過ごすことができた。直接のお礼はできなくても、彼らのエネルギーを自分のエネルギーへと変えて、大切に、そして前向きに日々を過ごしていきたいと思っている。


好奇心

[2008.03.17]投稿者:かの

 先日幼稚園を卒園した息子は、目下数字に興味津々。特に足し算など教えたわけではないのだが、時間さえあると、「10たす15は?」など、すぐに計算の質問をしてくる。
 思えば息子の興味は、周期的に変化してきた。ヨチヨチ歩きのころは電車、新幹線、車をはじめ、ブルドーザーやトラックなどのはたらく車が大好きだった。その後、昆虫や恐竜に目覚め、図書館で関連書を一通り借りては、なめるように読んでいた。何か新しい「流行」が生まれるたびに、大いなる熱意で絵本や図鑑に目を通し、自分の知識欲を満たしてきたのである。その好奇心は親から見てもものすごかった。
 おそらく私にもそうした時期は幼いころにあったと思う。しかし成長とともに、好奇心を満たすことが、だんだんと学校における「強制された学習」へと変わってしまったのである。本来、何か新しいことを知るというのは、喜びを伴うはずだ。しかし「授業がつまらない」「先生が面白くない」「暗記ばかりで大変」といったネガティブな要素ばかりが拡大されてしまい、次第に「学ぶ」という行為が面倒に思えてきてしまったのである。私の場合、高校卒業までは好きな科目と苦手科目の差があまりにも大きかった。
 しかし、学問というのはもっと自由であり、ワクワクした気持ちをもたらすものだと私は思う。それは我が家の子どもたちの関心事や話を聞くにつけ、私自身が気付かされた点である。
 目をキラキラさせては学んだことを誰かに披露したり、寝食を忘れて本に熱中したりすること。これこそ、通訳者や翻訳者として生きていく上で忘れてはならないことだと思う。知らないことを「知らない」という勇気、わからないことを教えていただくという謙虚さ、自分で調べようとする行動力。そうした前向きな気持ちさえあれば、誰でも立派な語学のプロになれると私は考える。
 通訳者として生きる上で、勉強法の絶対的正解などないと思う。つい正答を求めたくなるのが人間ではあるが、正しい答えがないからこそ、自分で自分なりの正解を追い求めていく。それが、この仕事の醍醐味だと私は思っている。


いよいよ改装

[2008.03.10]投稿者:かの

 今日から改装が始まる。
 うちは賃貸マンションで、本来であれば壁に画びょうすら止められないほどなのだが、今回は例外的に改装を認めていただいた。息子の視力が悪化したからである。
 我が家はダイニングキッチンと隣の和室が壁で仕切られている。子どもたちの遊び場は和室。ちゃぶ台の上で読書や塗り絵、折り紙や粘土遊びなど、さまざまなことをやってきた。牛乳パックで私が作った小さなイスに座り、朝晩そして週末、ここで楽しみを見出してきたのだ。
 しかし昨年11月のこと。息子が就学前検診で目が悪いことがわかった。しかも0.1。これはショックだった。我が家はテレビもほとんど見ないし、ゲームもやっていない。本を読む姿勢も悪くないし、塗り絵や字を書く時も背筋をぴんと伸ばしていた。遠い所もよく識別しているし、看板なども読めているのだ。よって、視力判定は信じられなかったのである。
 年が明けて眼科で診てもらったものの、やはり変わらなかった。お医者様いわく、両親の近眼による遺伝というのはあまりなく、むしろ生活習慣が問題とのこと。つまり、ゲームやテレビだけで悪くなるとは一概に言えず、たとえばものすごい集中力で読書をするだけでも目を酷使しているのだそうだ。
 確かに息子の集中力はすごい。絵本を読み始めると、ごはんやおやつで呼んでも一度では聞こえない。小さい頃は耳を診察した方が良いかと悩んだほどだった。折り紙にしても、完成までひたすらやっている。つまり、一つのことにものすごく集中したため、目が疲れてしまったのだろう。
 「頑張って生活環境を改善し、入学後もクラスの席を前にしてもらえば高学年になるまで何とかメガネなしですむでしょう」と先生。以来、さまざまな試みを取り入れている。
 ブルーベリーを食べるのもそう。寝る前の目の体操もその一環だ。また、タイマーを二つ用意し、15分作業をしたら2分間お休みというルールも設けた。息子は頑張ってやっている。
 そしてダイニングルームと和室の間の壁撤去。これはさすがに自分ではできないので、管理会社に事情を話すことにした。当初は我が家サイドの理由なので、私が自費でやらせていただけたらと打診したのだが、何と、オーナーさんが工事費の一部を負担するとおっしゃってくださったのだ。これは本当にありがたかった。
 工事は水曜日まで続く。壁が取り払われれば開放感が生まれて、部屋もより明るくなるだろう。これなら台所で家事をしながら子どもたちの様子もよく見えるようになる。できる工夫を積み重ねることで、息子の目がより健やかになることを願っている。


はじめての自転車

[2008.03.03]投稿者:かの

 息子と娘の自転車が届いた。夫から遅まきながらのクリスマスプレゼントである。
 長男は来月で小学校一年生。娘も年中組に進級する。近所のお友達は3歳ぐらいから自転車を練習していたので、我が家は後発組だ。
 思い起こせば、息子はずいぶん前から自転車をほしがっていた。2歳の端午の節句でいただいた三輪車は、あっという間に足が余ってしまい、物足りない。そんなこともあり、自転車にあこがれていたのだ。一方の私も、子ども二人の移動はもっぱら自家用車。歩くのも大好きで2駅分ぐらいホイホイとウォーキングするのだが、時間短縮と行動半径の拡大という意味では、自転車は魅力的。それで今回、一人一台ずつ夫は買ってくれたのである。
 購入先は、近くの自転車屋さん。昔からある小さなお店だ。夫はここで買うことを決めていた。以前、自分の自転車を購入してとても気に入っているからだと言う。
 3台買うとなるとかなりの金額なので、量販店の格安商品でも別に良いのでは、と私は内心思っていた。しかし、実際にこの自転車屋さんへ行ってみて、夫の言う意味がわかったのである。
 自転車店のおじさんは若いころから自転車が大好きで、店内にはレースの表彰状が壁中に掲げられていた。心から自転車を愛しているのだろう、私たちへもずっとニコニコで、きめ細かい応対をしてくださった。我が家の4人とカタログを見ながらどの自転車にするか選んでいた時も、色々とアドバイスをしてくださったのである。
 数日して自転車が入荷し、私たちは取りに出かけた。関東地方に大あらしが吹いた日曜日である。おじさんは「補助輪はいずれ取れますから。あせらずに、むしろ補助輪で楽しむお子さんたちをじっくり味わった方が良いですよ」と私に言ってくださった。実はここのところ私は、息子の卒園と入学という成長の節目をうれしく思う一方で、あまりの成長の速さに少しさみしい気もしていた。それだけにこの言葉は心に響いたのである。
 風と砂ぼこりが舞う中、私たちは新しい自転車とともに帰宅した。「こんな風で寒いから練習は後日かな」と私は思っていたのだが、子どもたちは乗ってみたいと言う。新品の自転車にヘルメットをかぶり、おそるおそるこぎ出す子どもたち。少しずつうまくこげるようになると、ますます笑顔になってゆく。新しいことに挑戦するというのは、こういう喜びをもたらすのだなと私は思った。
 思えば英語を習い始めた時もそうだった。新しい文字、新しい教科書、新しい単語すべてがまぶしかった。それらを書き写し、口に出すだけでも幸せだったのだ。
 自転車は単なる輸送手段だけではないし、英語も単にコミュニケーション道具だけではないはず。そんなことに気付かされた週末だった。



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プロフィール

すーじー

すーじー
1998年春、研究留学する夫に同行して渡米。大の苦手だった英語をイチから学びなおすことに。現在はシカゴ在住のフリーランス英日翻訳者として、マーケティングから金融・経済まで幅広い分野のビジネス案件にたずさわる。最近、興味があるのは、DIYと健康になること。[2016年1月start!]

いぬ

いぬ
幼少期より日本で過ごす。大学留年、通訳学校進級失敗の後、イギリス逃亡。彼の地で仕事と伴侶を得て帰国。現在、放送通訳者兼映像翻訳者兼大学講師として稼動中。いろんな意味で規格外の2児の父。[2008.4.1 start!]

アース

アース
田舎の翻訳者。外国留学・在留経験ナシ。都会生まれの都会育ちだが、現在はド田舎暮らしで、ネットのありがたさにすがって生きる日々。何でも楽しめる性格で、特に生き物と地球と宇宙が大好き。でも翻訳分野はなぜか金融・ビジネス(英語・西語)。宇宙旅行の資金を貯めるため、仕事の効率化(と単価アップ?!)を模索中。[2015年12月終了]

ぺこたん

ぺこたん
高校までをカナダと南米で過ごす。現在は、言葉を使いながら音楽や芸術家の魅力を世に広める作業に従事。好物:旅、瞑想、東野圭吾、Jデップ、メインクーン、チェリー・パイ+バニラ・アイス。[2007.6.1 start!]

みなみ

みなみ
英日をメインとする翻訳者。2001年からニュージーランドで生活。家族は、夫(会社員)、娘(小学生)、ウサギ(ロップイヤー)。[2007.5.1 start!!]

さるるん@ロシア

さるるん@ロシア
米系銀行勤務後、米国留学中にロシア人の夫と結婚。一児の母。我が子には日露バイリンガルになってほしいというのが夫婦の願い。そのために日本とロシアを数年おきに行き来することに。現在、ロシア在住、金融・ビジネス分野を中心としたフリーランス翻訳者(英語)。[2013年7月終了]

トナカイ

トナカイ
フィンランド・ヘルシンキ在住の多言語通訳・翻訳者。日本で金融機関に勤務の後、ヨーロッパへ。留学中に大学講師を務め、フィンランド移住後は芸術団体インターンなどを経て現在にいたる。2児の母。[2010年10月終了]

昼顔

昼顔
外資系金融、在ジュネーブ日本政府代表部での勤務を経て、外務省職員として採用。帰国後は民間企業にてインハウス通訳者としてキャリアを積み、現在は日英仏フリーランス通訳者として活躍中。昨年秋からはNYに拠点を移す。趣味は数年前から再び始めたバレエと映画鑑賞と美味しいモノの食べ歩き。[2010年3月終了]

フレッヒ

フレッヒ
高校時代をドイツで過ごし、日本の大学を卒業後、再び渡独。ドイツでの日本企業勤務を経て10年前よりフリーランスドイツ語通訳者として活躍。車関係全般・ジュエリー・スポーツ関係・整形外科分野を得意とする。普段はワイン・焼酎をこよなく愛し、庭で取れたハーブやジャガイモで主人や友人達とBBQしながら休日を過ごすのが大好き。そして大の八重山諸島フリーク。[2009年2月終了]

パンの笛

パンの笛
幼少時に英国に滞在。数年の会社勤めを経て、出産後の仕事復帰を機に翻訳を本格的に学習。現在はフリーランスの在宅翻訳者。お酒好きで人好き、おしゃべり好きの一児の母。[2008年4月終了]

かの

かの
幼少期を海外で過ごす。大学時代から通訳学校へ通い始め、海外留学を経て、フリーランス通訳デビュー。現在は放送通訳をメインに会議通訳・翻訳者として幅広い分野で活躍中。片付け大好きな2児の母。[2008年3月終了]

まめの木

まめの木
ドイツ留学後、紆余曲折を経て通翻訳者に。仕事はエンターテインメント・芸術分野から自動車・機械系までと幅広い。色々なものになりたかった、という幼少期の夢を通訳者という仕事を通じてひそかに果たしている。取柄は元気と笑顔。[2007年11月終了]

the apple of my eye

the apple of my eye
日本・米国にて商社勤務後、英国滞在中に翻訳者としての活動を開始。現在は、在宅翻訳者として多忙な日々を送る傍ら、出版翻訳コンテスト選定業務も手がけている。子育てにも奮闘中![2007年5月終了]

仙人

仙人
大学在学中に通訳者としての活動を開始。卒業後は、外資系消費財メーカーのマーケティング分野でキャリアアップ。その後、外資系企業のトップまでキャリアを極めた後、現在は、フリーランス翻訳者として活躍中。趣味は、「筋肉を大きくすることと読書」[2007年4月終了]

ガットパルド(gattopardo)

ガットパルド(gattopardo)
伊・仏・英語通翻訳、ナレーション、講師など、幅広い分野において活動中のパワフルウーマン。著書も多数。毎年バカンスはヨーロッパで![2006年8月終了]

Hubbub from the Hub

Hubbub from the Hub
幼い頃から英語に触れ、大学在学中よりフリーランス会議通訳者として活躍、現在は米国大学院に籍を置き、研究生活と通訳の二束のわらじをはいている。[2006年8月終了]

雛


大学在学中に通訳デビュー。外資系企業勤務を経て、フリーランス通訳者に。会議はもちろん、音楽、舞台、映画などの分野でもひっぱりだこ。クライアントからの指名率も高い。[2005.11月末終了]

とと

とと
大学卒業後、数年のサラリーマン生活を経て、フリーランス翻訳者に。技術系から出版物と、幅広い分野で高い評価を得ている。趣味は音楽。ただいま子育て奮闘中。[2005.11月末終了]

背番号8

背番号8
イギリスに長期留学後、インハウス通訳者として数社に勤務。現在は、フリーランス通翻訳者として活躍中。若手通訳有望株の一人![2005.11月末終了]