HOME > 通訳 > 通訳美人道「4. 通訳美人の筆まめ術」

通訳美人道 通訳美人の筆まめ術
第1カ条 忙しい人ほど筆まめ
 「手紙やメールをもらうのは好きだけれど返事を出すのはおっくう」「季節のあいさつ文や改行の位置など、手紙の書き方がわからない」・・・そんな悩みを抱える人は決して少なくありません。でも実は忙しい人ほど筆まめであることをご存知ですか?たとえば乳がんで亡くなったジャーナリスト・千葉敦子氏は病気と戦いながら大量の原稿を執筆する傍ら、もらった手紙には即座に返事を書いていました。また、ソニー創業者の盛田昭夫氏も、依頼された原稿校正はその日のうちに目を通して赤を入れ、編集者に返送していたそうです。こうしてみると多忙は理由になりません。そこで今回の美人道では筆まめになるコツをお伝えしましょう。
第2カ条 筆まめはコミュニケーションを円滑にする
手紙やメールを書く目的。それは挨拶と同じぐらい人間関係の基本であり、人と人との意思疎通を円滑にする上で欠かせないものだと思います。仮に皆さんがクライアントで、3日後に要納品の翻訳をAさんとBさんにメールで打診したとしましょう。Aさんは「今、別の翻訳作業中ですが、期日まで納品できます」とすぐに返事をしてきました。一方、Bさんの返事は翌日。「スケジュールが空いているのでOKです」とありました。皆さんならどちらに依頼しますか?おそらくすぐに反応のあったAさんだと思います。つまり、手紙やメールは苦行なのではなく、人間関係を広げるばかりか、仕事のチャンスも生み出してくれるのです。
第3カ条 返事のルールは「最長3日以内」
返信のタイミングは「メールの場合、24時間以内」「手紙は受け取ってから3日以内」「贈り物を戴いたらその日のうちにお礼状」と覚えておきましょう。友人など気心の知れている相手であれば多少遅れても許されますが、ビジネスメールの場合、あまりにも返信が遅いと送信者が不安になります。もしすぐに返事ができないのであっても、「メールをありがとうございました。調整の上、木曜日までにお返事いたします」と具体的な期日を入れると相手も安心します。
贈り物を戴いたらその日のうちに電話かメール、お礼のはがきを投函するようにしましょう。
第4カ条 郵便料金、封筒サイズを覚える
郵便局では郵便料金表を無料で配布しているので、一部手元にあると便利です。料金表がなくても、「はがき50円」「軽い封書80円」「海外向けはがき70円」「アジア向け封書90円」「欧州向け封書110円」「アフリカ向け封書130円」と基本だけでも覚えておくと良いでしょう。海外向け封書は重さによって変わってきますが、便箋一枚程度なら上記の料金でたいていの場合、OKです。封筒サイズは定形、定形外とありますので、自分でそれぞれ型紙をとっておくと料金ミスを防げます。
第5カ条 レターセットを常備する
いざ返事を書こうとしてあわてないためにも、レターセットは常備しましょう。便箋封筒のほかに官製はがき、エアメールシール(郵便局で無料配布)、私製はがきもあると便利です。私の場合、官製はがき、美術館で入手したアート系ポストカード、フリーメッセージカード(中が無地のカードと封筒)をクリアファイルに保管し、ビジネスバッグに入れて持ち歩いています。また、切手(10円、20円、50円、80円を5枚ずつ)はシステム手帳のポケットに入れて持ち歩いています。この4種類があれば、切手を組み合わせることでほとんどの料金に対応できます。
第6カ条 細切れの時間を使って書く
 「時間が空いたら書こう」と思っているとなかなか書けません。そこでお勧めしたいのが隙間時間の有効活用。たとえば短いはがきなら外出先での待ち合わせ時間や、家事の合間の5分という風に、時間を区切れば集中して書けます。あくまでも大切なのは「すぐに書くこと」。先延ばしになってしまうと、何について書くべきか内容も忘れてしまいますし、返事が遅れた詫びも書かなければならず、どんどんおっくうになってしまうからです。
外出先で書こうと決めたのであれば、はがきにあらかじめ切手を貼り、相手の住所も書いておけばあとは本文を書くだけ。こうして作業を分割すれば手紙も書きやすくなります。
第7カ条 ご無沙汰している人へこそ、はがきを
学生時代の恩師や遠方に住む親戚、友人など、自分にとって大切な人は沢山いるものの、つい音信不通になってしまいがち。そこでお勧めしたいのが、旅先での手紙書きです。まず旅行に出る前に「ご無沙汰しているな」と思う人をリストアップし、宛名シール(5x2.5㎝)にそれぞれ住所を書いておきます。あとは現地で気に入った絵はがきを購入して手紙文を書き、宛名シールを貼ればOK。文面は「ご無沙汰しています。お元気ですか?○○へ来ています。景色が美しくて心もリフレッシュしました。それではまた!」など。これだけでも十分気持ちは伝わるはずです。
第8カ条 手紙のハウツー本はそろえておく
正式な手紙文を書くときのためにも、手紙の書き方に関する本はぜひそろえましょう。季節のあいさつ文、封筒やはがきの宛名の書き方、冠婚葬祭の手紙文など、一通り網羅している本が便利です。書き慣れないうちはハウツー本の書き写しでも構わないので、とにかくどんどん書いて、手紙を書くことに慣れていきましょう。最近は手書きも横書きが主流ですが、縦書きも練習していくと、字体も揃って美しく書けるようになります。
第9カ条 住所録のバックアップは必ずとっておく
パソコンのハードディスクで名簿管理をしている人は多いと思いますが、やはり万が一に備え、バックアップは必ずとっておきましょう。バックアップファイルの他にお勧めしたいのが、オーソドックスな名刺ケース。お菓子の入っていた縦長の缶ケースでも構いません。保管方法は、見出しカードにAからZまで見出しをつけ、名刺を苗字ごとにアルファベット順に入れるだけ。私はこの方法で住所録を管理していますが、たとえば名前がうろ覚えでも名刺を束でざっとめくって探せるので重宝しています。
第10カ条 お気に入りグッズをそろえて
手紙書きに慣れてきたらお気に入りのグッズをそろえてみましょう。郵便局では定期的に記念切手が発売されているので、便箋の柄に合った切手を貼るのも楽しいものです。ちょっと奮発して書きやすい万年筆を新調したり、自分のネームラベルを通販で注文したりすると手紙書きがグッと身近な作業になります。私は美術館のアートショップやおしゃれな雑貨店があると必ずのぞいて絵はがきを調達しています。コレクションの絵はがきは「春」「夏」「秋」「冬」「和風」「洋風」にそれぞれ分類し、季節ごとや相手の好きそうなはがきを選んで送っています。ここまでくると、書く段階にいたるまでのプロセスもきっと楽しくなるはずです。ぜひ皆さん、手紙書きをエンジョイしてくださいね!

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プロフィール

柴原早苗

柴原 早苗さん
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 アルク「English Journal」でBBC Newsを監修した後、現在はNHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当中。 現在は通訳学校でも後進の指導にあたる。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。