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放送通訳者直伝!すぐ使える英語表現

第162回 「~で満ち溢れている」

be supercharged with ... ~で満ち溢れている

The fans were supercharged with excitement. They were all standing at the concert!

(ファンはワクワク感で満ち溢れていましたね。コンサートの間、ずっと立っていました!)

CNNではスポーツ関連の30分番組が充実しています。毎日放送される「ワールド・スポーツ」を始め、競馬、テニス、ヨット、馬術など色々な競技に特化した番組があるのです。Superchargeという番組もその一つで、こちらはF1やモータースポーツがメインとなります。

さて、今回ご紹介するのは「~で満ち溢れている」という英語表現、be supercharged with ... です。superchargeは「エンジンなどに過給する、与圧する、エンジンにスーパーチャージャーを付ける」などの意味があります。これが転じて「~で満ち溢れている」という語義になりました。

ところでsuper-の語源はラテン語で、aboveのことです。「~を超える、~より優れた」といったニュアンスを有し、supermarketやsupermanなどの単語がその一例です。super-の反対語はsub-で、subcommitteeやsubwayなどに見られるように「下、下位、半」という意味が含まれます。ちなみに「字幕スーパー」はsuperimposed captionsです。superimposeは「文字などを重ねる」という意味なのですね。このコラムを書きながら私も初めて知りました!


第161回 「何かわかったら知らせて下さい」

Keep us in the loop 何かわかったら知らせて下さい

I'll be waiting for the new information. Keep us in the loop!

(新しい情報を待っています。何かわかったら知らせて下さい。)

Keep us in the loopは「何かわかったら知らせて下さい」という意味です。私が初めてこの表現を聞いたのは米軍放送AFNでした。「新しい情報は番組で適宜流します」という文脈で使われていたのです。

loopは「輪状のもの、(ひもなどでつくる)輪、輪なわ」などの意味があります。in the loop自体は「権力の中枢にいて、(意思決定を行う)中核グループに属して」という意味ですが、上記の例文のようにKeep usを冒頭に付けると、一つのまとまった意味を新たに持つようになります。

ところでloopは名詞だけでなく動詞としての使い方もあります。たとえばHe looped the rope around some rocksは「彼は岩場にロープをかけた」となります。ちなみに「ロープ」のropeも動詞として使えます。He roped his horse to a nearby treeなら「彼は馬を近くの木に縛りつけた」です。ropeとloopでかえってややこしくなりそうですね。近い意味やスペル、音など、類似性の観点から「ついでに」辞書を調べてみるのも単語力アップの秘訣です。


第160回 「大勢の、たくさんの」

a panoply of ... たくさんの、大勢の

I saw a panoply of people getting out of the stadium after the football match.

大勢の人々がサッカーの試合の後、競技場から出てくるのを見ました。)

今回ご紹介するpanoplyという語は「たくさんの、大勢の」という意味です。単数形で用います。リーダーズ英和辞典を引くと「よろいかぶと一そろい、盛装、防御物、おおい」などと出ています。ちなみにa panoply of national flagsであれば「ずらりと並んだ国旗」という意味になります。panoplyはギリシャ語から来ており、「装甲歩兵の着用する武具一式」のことです。

放送通訳の仕事をしていると、ときどき耳慣れない表現に出会います。panoplyもその一つでした。私にとってはそうしたときこそ勉強のチャンス。同時通訳をしながら急いでメモに残しました。帰宅後、じっくりと辞書で語義を調べるのは、まさに至福のひととき。電子辞書なら複数の辞書を検索できますので、引き比べるのもおもしろいものです。ちなみに私の場合、せっかくですので、例文の英語と和訳もしっかりと「音読」します。そうすることで、スピーキングの練習にあてています。

・・・と、ジーニアス英和辞典(紙版)のpanoply掲載ページの下にpantographのイラストを発見。語義には「写図器、縮図器、(電車の)パンタグラフ」とあります。語源はギリシャ語のpanto(すべて)とgraphos(書くもの)から。それにしても、なぜパン「ト」グラフではなく、パン「タ」グラフの発音になったのでしょう?・・・とこのような具合に、一つの語を出発点に好奇心の道はまだまだ続きます!


第159回 「どこからともなく出てくる」

come out of the woodwork どこからともなく出てくる

After talking about my weight loss plan, many of my friends came out of the woodwork to offer advice.

(ダイエット計画を話すと、多くの友人たちがどこからともなく出てきて私にアドバイスをしようとしてきました。)

come out of the woodworkは「突如としてどこからともなく出てくる」です。他にも「意見を述べようとして突然姿を現す」という意味もあります。

woodwork自体は「木工品、木材工芸」です。なぜ「ぞろぞろ出てくる」という意味になったかと言いますと、家の中に突然、どこからともなく虫がわいて出てくるからだそうです。確かに「一体どこから?窓は閉め切っていたのに」ということがありますよね。

ちなみにサッカー用語でwoodworkは「ゴールポスト」を指します。スポーツニュースがCNNでもよく出てくるのですが、英語は同じ言い回しを避けるため、goal postを使うと次はwoodworkという具合に類語を用います。kick the ball into the back of the netは「ボールをネットに押し込む」、つまり、「ゴールを決める」という意味です。

ところでwoodと言えば、ロックフェスティバルで有名なWoodstockはアメリカ・ニューヨーク州の東部にあります。実はイギリスのオックスフォード近郊にも同名の街が存在します。そこに住む知人が「ロックフェスがあると勘違いしてウチの近所に観光客が来た!」と言っていたことがありました。ロックフェスが各地で行われる夏になると、このエピソードを思い出します。


第158回 「一連の」

a battery of ... 一連の~

Reporters have asked a battery of questions to the President.

(記者たちは大統領に一連の質問を投げかけました。)

a battery of ... は「一連の~」という意味です。他にもa batter of cameras(カメラの放列)、a battery of cooking utensils(料理道具一式)、a battery of tests(一連のテスト)などの用法があります。

batteryは「電池、バッテリー」のことで、語源はフランス語のbattre(ぶつ)です。他にも「砲台、(野球の)バッテリー、歩兵中隊」などの意味があります。日本語のカタカナでは「バッテリー」の「テリー」を強く読みますが、英語の場合、baに強勢を置きます。

ちなみに「バッテリーが上がった」はThe battery is deadと言いますが、dead以外にもflatやgone、run downなどが使えます。また、「英気を養う」はrecharge one's batteryです。他には「打楽器部」という意味もあり、同じbatteryでも色々な用法があることがわかります。

ところで先日私はコードレス充電池型の掃除機と扇風機を買いました。どこにでもすぐ移動ができてとても楽です。もっと早く手に入れれば良かったと思えるほど、生活環境が快適になりました。良い家電に巡り合えると毎日が幸せになります。



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プロフィール

柴原早苗

柴原 早苗さん
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。 アルク「English Journal」でBBC Newsを監修した後、現在はNHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当中。 現在は通訳学校でも後進の指導にあたる。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。 著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。「放送通訳者・柴原早苗のブログ」を更新中。