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American Culture and Globalization Online Lecture

第24回 American Culture & Globalization

 

24回にわたるAmerican Culture and Globalization講義の最終回です。前回に引き続き、これまでの内容を復習してみましょう。
  ▶ 第24回のレクチャーはこちらにアクセスしてください。 lecture24_1.gif前回のレクチャーでは、グローバリゼーションを考える上で、政治や経済の枠にとらわれないことが必要だと解説しました。どうしても国際政治や金融などに意識が向きがちで、なかなか文化のグローバリゼーションを考える機会がありません。政治や経済の重要性もありますが、それだけではグローバリゼーションの全体的な理解をすることはできません。このレクチャーシリーズでは、なかなか考える機会のないグローバリゼーションの要素である、文化に焦点を当てました。
  lecture24_2.gifBeautyについて焦点を当てたレクチャーを覚えているでしょうか? 雑誌の表紙や映画、音楽との結びつきも大きいテーマです。ヨーロッパに学会で行ったとき、複数の国を訪れる機会がありました。約2週間の旅路で、私はそれぞれの国でCosmopolitanという雑誌を購入しました。日本でも販売されていますが、非常に世界的に有名で購読者数の多い雑誌です。女性のファッションやライフスタイルを特集する雑誌です。あえてこの雑誌を各国で購入したのは、それぞれの国でどのような女性のイメージが強調されているかを知るためです。西欧と東欧の国で発売されていた雑誌だけですから、アジアやアフリカなどの例はありませんが、興味深いのはどの国も非常に類似した「理想の女性像」を強調していました。背が高く、やせていて、ハリウッドの映画や、パリのファッションショーのモデルで出てきそうな姿です。
  lecture24_3.gif同じことが日本でも言えるでしょう。映画のスターや有名な歌手などの容姿を考えてみると、各国に特有の美より、西洋的な美が追求されている傾向があります。その良し悪しを価値判断するのはこのレクチャーの目的ではありませんが、美意識が統一化されていることは、グローバリゼーションの影響の1つと言えます。
 他にもAppaduraiのScapeを使って、様々なグローバリゼーションの例を扱いました。これらが私たちのアイデンティティーにどのような影響を与えているのでしょうか? それを考えるには、このシリーズ前半で紹介した、Social Locationの概念が有効です。例えば、グローバリゼーションよって、皆さんが自分を見つめる意識が変わったでしょうか? つまり、海外旅行や留学の経験などが皆さんの考え方に影響を与えたことはありますか? 「旅行中に海外で味わった、ゆっくりした生活のペースが忘れられない」と言ったものでもよいのです。もしくは外国にいる友人や、外国から日本に来ている友人の輪も、皆さんのアイデンティティーに影響を与えます。外国のブランドが好きで、そのシャツやトレーナーをよく着ている、ということも、グローバリゼーションが皆さんに何らかの影響を与えている証拠の1つです。
  lecture24_4.gifグローバリゼーションが進むと、統一化された文化が生まれがちです。実際には「日本の影響を受けたアメリカ文化」のように、新たな文化が生まれることが多くあります。重要なのは、日本の文化や伝統を重視しながら、他の文化を受け入れる姿勢です。「日本は古い」とか「西洋文化には深みがない」という姿勢だと、建設的ではありません。


第23回 American Culture & Globalization

 

昨年の12月から毎月2回ずつの更新をしてきたAmerican Culture and Globalizationレクチャーシリーズも、残り2回となりました。12月第2回目の更新をもって、最終回となります。そこで今回と次回は、これまでの内容を復習したいと思います。
  ▶ 第23回のレクチャーはこちらにアクセスしてください。 lecture23_1.gifさて、そもそも今回のレクチャーシリーズは、昨年の秋にHi Careerのために何か新しいコンテンツを作ることができないかという打ち合わせから始まりました。グローバリゼーションは、メディアなどでもよく耳にする内容で、多くの人に親しみのある内容であることに疑いはありません。しかし同時に、グローバリゼーションと聞くと政治や経済、金融にばかり意識がいってしまい、その全体像を正確に理解できていないのではないか、という印象が私にはずっとありました。そこでこのレクチャーシリーズでは、グローバリゼーションの中でもあまり語られることのない例を扱って、より深い理解を目指すことにしたのです。
  lecture23_2.gif英語ではこれをOff the beaten pathと言います。Beatとは、「打ち負かす」という意味で使われます。Path(道)に形容詞としてつくと、これは「多くの人が通った道」という意味です。多くの人が通ったので、Beatされていると言うことですね。そこからOffするわけですから、多くの人が通ったことのない道のこと。ありきたりでない内容のことを指します。
  lecture23_4.gifグローバリゼーションをテーマにしてOff the beaten pathとは、Cultureが中心となります。どうしても日本にいると、金融や政治に関心がいってしまいます。それに問題はないのですが、例えば大学で「アメリカ社会」など、外国の社会をテーマにした授業を履修したことがある人はきっとお分かりになるとおり、日本では文化に対する意識が比較的薄く、歴史や経済、政治のことばかり話をする傾向があります。その意味からも、このレクチャーシリーズでは文化に焦点を当てました。
  lecture23_5.gifグローバリゼーションによって、たとえばTaste(嗜好)が影響を受けます。例えば、2週間前にはワインとグローバリゼーションをテーマにレクチャーを行いました。もちろん、どの国が一番多くワインを輸出して、どの国が一番ワインを消費しているという議論もありましたが、私が焦点を当てたのは、ワインと言っても色々な種類があって、フランスワインも実はアメリカワインの影響を大きく受けていることなどでした。
  lecture23_6.gifまた、何度も繰り返しましたが、日本はHorizontalでCollectiveであり、欧米はVerticalでIndividualisticということも話をしました。これはTasteではありませんが、PhilosophyやIdeaと関係のある内容です。このようなSoft powerによる外国の影響も、グローバル化では無視できません。


第22回 Americanization & Globalization

 

日本ではこの時期になると、ボジョレ・ヌーボーの解禁が話題になります。アメリカではそんなこともないですが、フランスではやはり話題になり、ニュースでは「今年はこれだけのワインが日本に輸出された」と報道されます。私はちょうど解禁日にフランスにいたため、久しぶりにこの話題をフランスで耳にすることとなりました。
▶ 第22回のレクチャーはこちらにアクセスしてください。   lecture22_1.gifそんなこともあって、今回のテーマはワインとグローバリゼーションです。世界各国のワインが楽しめるようになったとはいえ、それでも「ワインと言えばフランス」というイメージは相変わらず強いのではないでしょうか? 逆に、フランスの名産と聞かれると、ワインやチーズ、そしてパンといった典型的な代表例を思い浮かべる人も多いでしょう。そこに事実もあるのですが、ワインはフランスのものだけではないことを充分に覚えておく必要があります。
  lecture22_2.gifローマ人やギリシャ人、そしてトルコ人がずっと昔からワインを生産していたのは、よく知られています。動物の皮で作った入れ物に、ワインを入れて持ち運んだという話は、中学校や高校の歴史の授業でも、学んだことがあるのではないでしょうか? またヨーロッパ人がエジプト産のグレープを使って、18世紀にワインを生産していた記録も残っています。
  lecture22_3.gifしかしなにより興味深いと思うのは、「フランスワインなどと言うものは存在しない」という考えです。これは私も1年ほど前に友人から紹介されるまで知らなかったのですが、フランスワインに関する書籍を読んで学びました。それによると、19世紀に発生した病気によって、フランスのぶどうが壊滅状態になったのです。ワインを生産できるような状況ではなく、フランスのワイン農家がどうしたかというと、アメリカにあったワインの木を植樹することで解決しました。多くの木は西海岸から届いたもので、これはある意味、フランスワインの起源はアメリカにあると言うことになります。アメリカで重宝されている「自由」などの考えの起源がフランスにあるとおり、フランス文化の代表とも言えるワインの起源がアメリカにあるのは、古くからのグローバル化の一例です。
  lecture22_4.gifさて、ワインの消費を考えてみると、やはりフランス人のワイン消費はダントツです。1年間に50リットル以上のワインを平均で消費するといいますから、1週間で1リットルの計算です。昼食時に小さなグラスに一杯、そして夕食で二杯、といったペースより少し早いペースと言えます。日本もボジョレ・ヌーボーに関しては世界で1番の輸入国。ボジョレ近隣に住んでいる人々は、「あんなまずいワインは、フラン国内で消費する人が誰もいないから、日本に送るんだよ」と冗談なのか、まじめなのかわからないことを言う人もいますが、イベント好きの日本人にはちょうどいいワインでしょう。しかし中国のワイン輸入量が日本のそれを越えていることからも、アジアでワインを好んで飲んでいるのは日本だけではないことがわかります。


第21回 Americanization & Globalization

 今週のテーマはEntrepreneurshipです。まずは復習からはじめましょう。

▶ 第21回のレクチャーはこちらにアクセスしてください。 lecture21_1.gif

これまでGlobalizationを考える中で、AppaduraiのScapeという考えが有益であることを解説しました。例えば人が仕事や留学のため、または旅行目的で世界を飛び回るのはEthnoscapeと呼ばれます。Ethno-とは、人の意味を持つ接頭語ですね。同様に、ビジネスや様々な取引でお金が飛び交うことは、Financescapeといいます。為替情報が気になったり、外国のオンラインショップから商品を購入できたりするのはFinancescapeの一部です。これらのScapeの1つに、Ideaの行き来を指すIdeoscapeという言葉があります。今回のテーマであるEntrepreneurshipはIdeoscapeの1つです。
  lecture21_2.gif例えばLibertyやFreedomという考えは、アメリカ的なものと考えられていますが、元はフランスから来たもの。その前は、例えばギリシャなどで議論された概念です。したがって、「自由」などという非常にアメリカ的と思われている概念も、グローバル化の一部であることがわかります。自由の女神がフランスからの贈り物である事実も、Ideoscapeを象徴していますね。また、最近アメリカではアジアの概念としてZen(禅)やConfucius(儒教)が関心を集めています。これももちろんIdeoscapeの一部です。
  lecture21_3.gifEntrepreneurの場合も、スペルから想像がつくかもしれませんが、フランス語の影響を受けている単語です。英語で使用される場合には、リスクを背負いながら物事を行い、何らかのプラスの結果を期待する人をEntrepreneurと呼びます。多くの場合、すでにご存知の通りビジネスの世界で使われます。
 特に1980年代以降のIT産業で、Entrepreneurが多く生まれました。Microsoft、Apple、Facebookなどすべて、Entrepreneurの1つとされていますね。しかしよく考えてみれば、例えば古くから日本にある企業も、Entrepreneurが始めたもの。日本語で「起業」ということからわかるように、最近始まった傾向ではありません。
  lecture21_4.gifしかし今回のレクチャーで何より強調したいのは、Entrepreneurshipがビジネスでだけ使われる言葉ではない、ということです。例えば先日、私が教える大学で会議が行われました。会議は日本の大学構造で言う学科長と、来年度に新しく開講される授業のアイデアを話し合うものでした。その会議の中で、学科長が「Entrepreneurshipを持ってアイデアを出しあってほしい」とコメントしたのです。授業の提案をしたり、授業を教えることがビジネスの観点から言うEntrepreneurshipとは少しずれていますが、アイデアを開拓していくという意味では、共通するところがあります。
  日常生活においても、例えば部屋の内装に手を加えるとか、家具を新しくするという部分にも、Entrepreneurshipを発揮できます。収益を上げる、という目的だけではなく、気持ちが一新されるなどという目的も、充分にEntrepreneurshipの精神です。そう考えると、Entrepreneurshipとは、いかにして目指すものを手に入れるか、いかによりよい生活を求めるか、ということと大きな関係があるのでしょう。


第20回 Americanization & Globalization

 

今週も先週に続いて、メディアとグローバリゼーションがテーマです。前回はテレビに焦点を当てましたので、今回はインターネットに焦点を当てます。
 

▶ 第20回のレクチャーはこちらにアクセスしてください。

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前回のレクチャーでは、Mediaという単語が複数形の単語であり、Media isとするのは誤りで、Media areとするのが正しいと述べました。同じように、英語のレッスンから今週もはじめたいと思います。今週の単語はInternet。まず、Internetは常にthe Internetと不定冠詞のTheがつくことを覚えてください。また、InternetのIは一般に大文字で書かれます。例えばHi Careerというインターネットの一部を指す場合はinternetと小文字のIが使われますが、通常の意味でインターネットと言う時には、the Internetと大文字にします。不定冠詞についても、大文字と小文字の違いについても、Mediaの例と同じようにネイティブスピーカーでも間違えますから、気をつけましょう。
  lecture20_2.gifさて、本題です。インターネットは世界規模のネットワークであることからも、グローバル化に大きな影響を与えることは想像に難しくありません。そこで、今回は特に4つの例に絞って考えてみたいと思います。
 1つ目は情報。インターネット上では様々な情報が瞬時に共有されます。例えば、最近は埼玉県志木市の荒川にアザラシが出没したとして話題になっていますね。これは世界のニュースからしてみれば、重要性は高いものではありません。それでもこんな風に情報がインターネット上では容易に共有されるのです。また、私はミシガン州に住んでいますが、今、どの電車が遅延しているのか、運休しているのかを簡単に知ることができます。このように瞬時に情報が伝達されるのもインターネット。情報のグローバル化が1つ目の例です。
  lecture20_3.gif2つ目は人の動き。インターネット回線を使ったSkypeなどのサービスによって、安くコミュニケーションをとることができます。これは個人の電話だけではなく、ビジネスにとってもテレビ会議などで効果的。このようにVirtualな人の動きがインターネットで可能になります。しかしそれだけではありません。安価な航空券が手に入れやすくなったり、外国の情報を簡単に手にすることで、海外に行こうという気になったりすることもあります。これはインターネットによって、人の流れがグローバル化していることでもあります。
 また、お金の流れもあります。為替市場や株式市場だけではなく、例えば個人がアメリカやヨーロッパのAmazonサイトから商品を購入することが簡単にできます。当たり前のように考えがちですが、インターネットがグローバリゼーションの結果として起こったというだけではなく、グローバル化をより推し進める要因であることを如実に示しています。
  lecture20_4.gif最後に、文化の流れ。Facebookのアカウントを持っている人も多いでしょう。数年前までは、アメリカ国内で人気が高く、日本ではMixiなどの優位性が明らかでした。しかし今はFacebookの人気に目を見張ります。他にも音楽や映画など、インターネットによるグローバル化は進んでいます。
 それでは、これらの事象が持つ意味は何でしょうか? よい、わるい、だけではなかなか判断できません。グローバリゼーションによって選択肢が増え、様々な情報が手に入るようになるのはいいことでしょう。しかし、Jose Boveの例で話をしたり、Anti-Americanismのときに話をしたように、Local identityが失われることは決して望ましくありません。グローバル化と聞くと、なかなかインターネットのことをなぜか考えることが少ないのですが、この点にも気を払ってオンラインでの生活をすることが必要でしょう。



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プロフィール

木内裕也

木内 裕也さん
フリーランス会議・放送通訳者。 長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。 大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。 上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。